しんみりお酒を味わいたい時があります。今の自分はどんな気分だろうと思う前に、どんなアテにしようか楽しみが湧くのも酒呑みならでは!
食べたい物に、お酒を合わせてみる。日本酒が、総合エンターテイメントと思える所以です。
今日も一つの個性ある日本酒のお世話と相成りました。
山口県・酒井酒造の「純米酒・五橋」です。
原材料名:米(山口県産)、米こうじ(山口県産)・精米歩合:60%・アルコール分;15度
ひと口目の常温では、純米酒らしい米の旨味のふくらみ方がとても素直な子だなぁという印象でした。お口の中は穏やかな存在感が残り、食中酒にぴったりのお味かと感じたんです。
その後、冷酒で飲んでみると、びっくりするほどスッキリと爽やかな口当たりで、キレの良さもある。飲みやすさゆえのスピード違反をおこすところでした。
次に、大好きなお燗の時間。米というか酒感、パンチが出てくるので濃いめの味付けに合いそうな装いかなぁと。私のクセ、純米酒=お燗最高!が少し覆るような、固定観念はやはり正さねばと思う飲み口でもありました。
このお酒は、冷酒から常温、さらにはその中間ぐらいが、旨味感からキレの良さというところで、とても好みの味わいを発揮してくれたんです。
食中酒には心地の良いお酒ですので、お料理との交わり方は大変楽しかったです〜。
今宵、合わせるアテは、一足早い夏野菜の焼き浸しと鳥だし卵あんかけ豆腐、さらに納豆汁、赤紫蘇と胡麻の玄米にぎり。
どれも濃いめのお出汁なので、五橋と素敵な時間を過ごすことが出来ました。
最初の常温の印象は素直な子だったのに、冷酒やぬる燗など温度帯を変えることで、意外にも芯のある好青年という印象に変わっていったんですね。
酒も然り、人も然り、個性は一面だけで図ることは出来ないのだとしみじみ思います。
最近、偏重気味だった熱燗神話は大切にしつつも、そこに留まらず飽くなき探究心を持ち続けたい。
そう前向きに思った今日の酒食でした。ご馳走様でした!
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