日本酒=オヤジの飲み物という歴史ある?固定観念が、遠い昔のことのようです。今では、気軽なカクテルにまで幅を広げ、苦手な方も気付かないうちに飲めていた!なんてことがあるかも知れませんよね。
そんな今どきの日本酒事情を色んな視点で見つめられるよう、様々な飲み方に迫ってみたいと思います。原酒どんと来いの酒呑み人としては、実は結構な冒険物語となっておりますのでお楽しみに!
オーソドックスに楽しむための方法。
まず、なぜ日本酒の飲み方が幅広くなってきているのか。楽しみ方の柔軟性はもちろんのこと、アルコール度数の高さも一つの要因かなと私は考えます。その日の体調や食事スタイルによって、どうしても身体が受け止めきれない時がありますよね。
呑みたい気持ちはあるけれど、どうも重たく感じてしまう‥。そんな時は、目の前の日本酒から逃げることなく、お色直ししてしまおうではないかという方法です!
個性をそのまま味わう喜びを知る。
蔵元さんが手塩にかけて育てた日本酒の味わいを、しっかりと受け止められるようオーソドックスな飲み方からお伝えいたします。
まずはロックで。
氷一つで和らぐロックスタイルです。お好みのグラスに丸氷で上品にいただくのも良し、かち割り氷で豪快に飲み干すのも良し。または、究極のひとり酒、お猪口にぽちょんと氷を一つ浮かべ、静かなひと時を過ごすのも良いものですよね。
氷が溶けていく過程で、呑みやすさの塩梅を探ることも出来ますよね。ゆっくりと自分スタイルで作り上げていく楽しみ方があります。
さらに、昔の記憶ですが、氷を入れる部分に無数の穴が空いていて、自然に氷通しができるという素敵なちろり(酒器)を見たことがあります。いつか手に入れたいと思っているので、突然の出会いを期待しております。
なるほどのみぞれ酒。
京都の伏見を訪ねた際、「玉乃光」で販売しているみぞれ酒をいただいたことがあります。紙パック使用になっており、しばらく冷凍庫に寝かせておくとシャリシャリ感が楽しめる代物です。
日本酒の風味をダイレクトに感じつつも、さっぱりとした清涼感が味わえます。一種の風情も感じられ、夏の川床、浴衣に花火なんて映像が浮かびそうです。薄着で過ごせるくらいの暖かなお部屋で、雪を見ながら喉を潤すのも良いかも知れません。
ご自宅の冷凍庫で、お好みの日本酒を試せますよ!
水や湯で自分好みに。
もう少し緩やかな味わいにしたいという方には、和らぎ水(チェーサー)やお湯で自分好みに整えてみるのも一つです。元々、出来上がった原酒の状態では、アルコール度数が18度以上と高いため水を加えて調整(割水)をしています。その為、後から水や湯を加えても、味わいが大きく損なうことはありません。
ただし、上原浩さんの「純米酒を極める」によるとアルコール添加物を加えた酒、つまりラベルに醸造アルコールと書かれたものはあまりお勧めしないとのことです。純米酒といわれる自然に生まれたアルコールならば、いただく際に水を加えても馴染んでくれると仰っています。お好みもありますので、自由な楽しみ方が出来ればと思っております。
ひと工夫、ひと手間を楽しむ。
自分の好みで申し上げると、日本酒+水や湯の馴染ませ方に工夫が欲しいなぁと考えてしまいます。そこで実際に試してみました!
常温(冷やと言われることもある)の日本酒に、冷蔵庫でキンキンに冷やしたお水を入れてみると若干の分離を感じるのです。なので、常温の日本酒に、常温のお水を入れてみると‥これ何となく馴染んでいる気がするのです。あくまでも主観なので、ご自身で試していただきたいです。
しかも、下記↓の上原浩さんのご指導が秀逸です。確かに、先に水を入れた方が感覚的に、日本酒を味わっているなぁと思えたんですよね。すばらしい!
お試しは、自分の呑み方を知るための第一歩だと思っているので、やってみると面白い発見があると思います!
お燗への誘い。
お湯の場合は、燗をつけながらの素敵な方法があります。
割り水をかける場合にまず気をつけたいのは、なるべく良い水を使うということだ。〜第二に順番に注意したい。徳利などに先に水を入れ、後から酒を足す方が良い。〜割水で最も大事なのは割り過ぎないということだ。〜アルコール度数16度程度の酒なら、せいぜい13度弱になるくらいまで。〜もちろん、適量は酒によって変わってくる。(〜途中省略)
引用:上原 浩「純米酒を極める」
いきなり自分好みにピタリと合わせることは難しいので、その日の気分やそれぞれの酒質と向き合いながら、徐々に胃に馴染ませていくのが良さそうです。
やはり自分の経験からも、1合に30ml程度の割り水燗で本当に心地よく呑める瞬間があります。そんな時は「うわっ、優しい‥」の一言しか出ません。慰めてもらっているような、身体を労ってもらっているようなそんな穏やかな気持ちになります。ぜひ、お試しあれ。
納得、そして外せない燗酒。
日本酒を割るなんてっと悲しんでしまう方がいらっしゃるかも知れませんので、私が大好きな熱燗をおすすめいたします。
好みで言えばぬる燗をゆっくりといただくのがタイプですが、燗酒は30℃の日向燗、35℃の人肌燗から55℃のとびきり燗まで様々な温度帯が選べます。日本酒の個性や大吟醸、本醸造などのタイプに合わせて無限大に遊ぶことができ、自分と相性の良い楽しみ方が必ず見つけられます。
酒呑みの道は1日にしてならず。ってやつです笑。
燗酒については想いが溢れ過ぎて自らの回収は難しいため、下記↓を参考にしていただけたら嬉しいです。
楽しい時間を過ごすために日本酒を割る意味。
そもそも、どうして日本酒を割る必要があるのか?冒頭でアルコール度数の高さが要因かも知れないとお伝えしました。それ以外に、アルコールの分解速度が関わってきます。とどのつまり酔っ払いです笑。真面目に話すと血中のアルコール濃度の高さによって、酔いのステージが変わってくるということです。
ほろ酔いでぽっと頬が赤くなるならば可愛らしいですが、ぐでんぐでんの千鳥足とおでこにネクタイ締め。表現はだいぶ古いですが、定番の酔っ払い方ですよね。日本人はアルコールを分解するのが苦手な遺伝子を持ち合わせているため、個人差はあっても、比較的早くに酔いやすい傾向なのです。
身体を巡るアルコールの行方。
食事と一緒に胃に滞在している間は、アルコールの吸収はゆっくりです。飲酒後、約1〜2時間ほどで小腸などの消化管内において吸収されるスピード感があります。胃や小腸などを経て血管に取り込まれ、肝心要の肝臓へと運ばれます。そして、生まれる毒素(アセトアルデヒド)を無害の酢酸へ分解していきます。肝臓は大忙しです。
一生懸命に運ばれたアルコールを処理してくれる肝臓を、労ったり、様子をうかがったりすることが自我を保つために大切なんですね。必死な肝臓を無理に急かしたりしないように、心を込めて日本酒を割っていきましょう!
とりあえず好みで割ってみよう。
調べてみると、オレンジやグレープフルーツなどの柑橘系、サムライと云われるライム割、牛乳や乳酸飲料などが主流のようです。他にもトマトジュースやコーラ、炭酸・ソーダ割、お茶・紅茶、栄養ドリンクなど以外にも幅広い飲まれ方をしており、日本各地にチャレンジャーな方達がいらっしゃるようです。勉強になりますよね。
以前取材をさせていただいた蔵元さんのお勧めもオレンジジュース割りでした!参考までに下記もご覧になってみてくださいませ。↓
私が大好きな「生酛のどぶ」をビールで割って呑む方法や、〆に最高の出汁割りなども多くの方に好まれています。が、両方とも未だ丁寧に試したことが無いので、次回までの宿題にしたいと思います。
その他、日本酒カクテルを検索してみると、梅干しを入れたり、ヨーグルトを入れたりと様々な飲み方が作られているんですよね。知らなかった新たな世界に魅せられてしまいそう‥。楽しみ方の可能性は山ほどあることが学べましたので、次の扉を開いていきたいと思っております!
まとめ
頑固者は酒を語るべからず。と改めて思い直せる学びの時間を過ごせました。日本酒の奥深さ、あらゆる素材を受け止める懐の深さに、更なる精進を誓います‥、いえ、日々、日本酒を有難くいただくだけなんですけどね‥。
とりあえず、自分は何が好みかなぁと、毎日色んな素材を試してみるのが良いかも知れませんね。大切なのは、自分に聞いてあげることでしょうか。好き嫌いは千差万別、人それぞれ。
オリジナルとの出会いを楽しみましょう!
参考:株式会社ヤクルト発行「HEALTHISIT」/公益社団法人 アルコール健康医学協会
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