酔いを制する者は日本酒を制する!なんて大袈裟ですが、どうせ酔うなら楽しいひと時にしたいものですよね。
急に喧嘩をふっかけたり、くどくどと絡んでしまったりと酔いはネガティブな印象も持ち合わせています。一方、笑い上戸や泣き上戸、はたまた淡々と静かに時間を過ごす者‥。
もしくは、顔を真っ赤にしたり、急に眠ってしまったりと自由な振る舞いの人もいます。はい、私です。
自分がどんなふうに酔うのか、酔ったらどうなるのか、改善策はあるのだろうか。と興味が湧いてきましたので、上手な付き合い方を見つけながら楽しんでみようと思います。
酔っ払ってしまう理由を知る。
現状から申し上げると、まずは一杯目ですぐに顔が赤くなってしまいます。そのうち、顔色が落ち着き、飲み続けられるか、または爆睡状態に陥ります。すぐに眠れる場合は良いのですが、長距離を自宅まで帰るとなると頭が痛くなることもあります。
どのような酔い加減が一般的なのでしょうか。人によっては吐き気を催したり、足元がふらついたりとそれぞれお困りごとはあるかもしれません。
理由を少しづつ紐解いて、美味しく、楽しく日本酒を味わえる作戦を練りたいと思います。
酔うと顔が赤くなるメカニズム。
酔っている状態とは、身体の中で何が起こっているのか調べてみました。
まずは顔がすぐに赤くなってしまう理由を探ってみます。自称酒呑みと言いながらも、やはり見てすぐに呑んだことがバレてしまうのは結構恥ずかしいものです。特に昼呑みは、厳しい視線を感じながらの移動となり、ある意味、心臓に毛が生える速度が増してしまいます。
恐るべし。フラッシング効果。
顔の赤さが誘引されるのはもちろん、激しい動機や吐き気・頭痛など、人それぞれの症状があります。これは、アルコールが毒性の強いアセトアルデヒドに分解されたために引き起こされるフラッシング効果によるものです。
年甲斐も無く、恥ずかしがり屋な乙女の気分でいましたが、毒性の強さにやられていたんですね。気をつけます。
このフラッシング効果は、アセトアルデヒドを分解するために主な役目を果たしている2型アルデヒド脱水素酵素がポイントのようです。日本人は元々、お酒に対する耐性が弱いとされていますが、この2型アルデヒド脱水酵素が生まれつきの体質を左右しているのです。
アルコールの処理スピードを語る。
二日酔いで頭が痛い。胃がムカムカと気持ち悪い。など、経験豊富な方もいらっしゃるのではないでしょうか。アルコールの分解速度は思っているよりも遅めなので、肝臓が必死に頑張っても処理スピードが追いついていないのですね。
さらに、女性は男性に比べて3/4のアルコール代謝能力しかありませんので、ほろ酔いを自覚するくらいが身体にも優しく、可愛らしい状態を保てるのでしょうか。もちろん、人それぞれでもあります。
良い加減で呑んで寝てしまう人へ。
では、呑んで爆睡してしまう理由は何でしょうか。日本酒にはリラックス効果が期待できると勉強しましたから、心も身体もほぐれていい気分になるのかと想像はつきます。
アルコールとして考えてみると、気持ち良〜く呑むことで脳内のGABAベンゾジアゼピン複合体という所に働きかけ、入眠促進作用が促されるんですね。うん、考えただけで眠れそうです。
途中覚醒するのも辛い‥。
飲酒後の睡眠の質については、かなり課題を感じています。途中で起きてしまったり、その後全く眠れなくなってしまったりと色々後悔することがありました。私の場合、飲み過ぎで深く眠ってしまった分、睡眠が解消されてしまった気もしますがきっと気のせいですね。
少量のアルコールには覚醒作用がありますので、ナイトキャップ=寝酒がよろしくないと言われている所以でしょうか。
アルコール分解速度の目安を学ぶ。
アルコール健康医学協会の資料によると、500mLのビールロング缶を飲んだ時の代謝に必要な時間は、男性が2.5時間、女性が3.3時間と云われています。酒呑みの量として結構時間が掛かるんだなという印象です。
日本酒でいうと1合(180mL)の計算になります。もう少しいただきたい時もありますが‥。寝る直前ではなく、寝る3時間前を目安に酒食を楽しむのが良さそうです。
性別や年齢・体質などにも左右されますが、分かりやすい目安として、体重1kgにつきアルコール0.1g(1時間)を分解、だと覚えやすいかも知れませんね。
酔うリスクを理解する。
そして、飲酒運転の問題も深刻で後を断ちませんが、どうやら酔っ払ってふらふらと歩いて交通事故に遭ってしまう人の割合も多いようです。
せっかく美味しくいただいている日本酒とご縁が途絶えては身も蓋もありません。お互い様、心して酔っ払いましょう。
日本酒と上手に付き合う方法。
そこで、身体に優しく日本酒を楽しむためには、どのような対策を練れば良いのか探してみました!
よく「空きっ腹で飲むなっ」とお小言のように言われることがありました。実は、ちゃんとした理由がありました。食べ物と一緒にお酒を飲むことで、アルコールの吸収をスローペースにしてくれるのです。経験値の高い年長者の言葉は大切にしたいものです。
酒食が大事な理由。
アルコールは胃や小腸の消化官の粘膜から吸収されます。アルコール度数の高いお酒は、直接入れることで粘膜をボロボロにしてしまったり、血中アルコール度数が急激に上昇したりと酩酊状態まっしぐらになってしまうんです。
そこで、お料理と一緒に楽しむことが重要となります。食べ物を胃に入れることで粘膜に壁を作り、食べ物から取り入れる水分がアルコール濃度を和らげてくれるんですね。
酒食を楽しむいろは。
さらにエネルギー源をつくるタンパク質が良いよと云われるのも、必要なエネルギーをアルコール分解で消費してしまうからなのです。
栄養素を摂りながらゆっくりと酔いを感じることが、冷静な自分として、次の「もう一杯!」の判断に繋がるのでは無いでしょうか。
ただし、日本酒は食欲増進の働きがあると云われていますので、食べ過ぎには注意したいものです。
秘技!アルコール濃度を薄める。
重要です。顔が赤らんでしまう対策はないのかと、私自身、長年秘策を探し続けてきました。酔っ払いながらの研究なのでなんとも言えませんが、日本酒のお供・和らぎ水をしっかりといただくことが良いのかなと思います。アルコール濃度を薄めるための、いわゆるチェーサーですね。
アルコールは利尿作用が高いため、頻繁にトイレに行くか、喉が乾いたなぁと感じることが多いですよね。日本酒の美味しさに負けてしまいそうになりますが、ここで水分を取っておくことが大切です。
日本酒自体を軽くする呑み方。
もしくは、水割り燗や氷ロックのようにあらかじめアルコール分を和らげるのも一つの方法です。外出先での酒食や宴会では、常に自分の身体を労わり続けるのは難しいかも知れません。
ただ、方法を知って、何かしらのアイデアを絞ることは、色んな場面でトライできますよね。
顔の赤らみ、再び。
ちなみに顔が赤らんでしまうのは、先ほど登場した2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人。つまり、体質によるものなのでどうにも出来なさそうです。悲しいかな、アルコールの分解が遅いんだなぁと理解しておく必要性を求められております涙。
しかし、滅多にないのですが、すこぶる身体の調子が良い時、赤くならずにスイスイお酒が入るゾーンを体感することがあります。という事は、常日頃から肝臓を労わりつつ、ストレス軽減に努め、穏やかな暮らしを楽しむべし。に尽きるようです。
肝臓に優しい栄養素。
肝臓は良質なタンパク質やビタミン・ミネラルを必要とします。お腹に優しい大豆製品やつまみに最高の貝類、そして、消化管の粘膜を保護してくれる長芋などが酒食に取り入れたい食材です。
とても邪道な話かも知れませんが、酔っ払うと家に着く直前、お腹が空くことがあります。コンビニで買った軽めの食べ物をお腹に入れて、水分をしっかり摂って寝ると、次の日、比較的軽く起きられます。
しかし、寝る間際なので消化には良くありません。酒食を楽しんでいる段階で、適度に満たしておくことが大切なようです。
手放したい不調の数々。
さらに肝臓は、ストレスや睡眠不足・過労・運動不足など負荷の掛かる状態を溜め込むことが御法度です。日常生活において、負のスパイラルに落ちることは多々あります。少しでも自分らしく、優しい気持ちでいられる人生を送りたいですね。
体質や目安を知りながら、日々、自分に合った適量のお酒と永くお付き合いしていくことが大切なのかも知れません。休肝日を設けるも良し、毎日少なめのお酒を嗜むのも良し。
自分の適量を、じっくりと自分自身に聞いてみるのが良さそうです。もちろん、気に病みすぎるのもよろしくありませんので、気持ちとのバランスを程々に。
まとめ。
今回のテーマは、理解したなら実行しよう!と心新たに思いました。自分を知る。足るを知る。辛辣ですが、飲み過ぎも、暴飲暴食も自分が決めていることです。
できれば、お料理が美味しかった、日本酒が旨かったで締めくくる幸せを味わいたいものです。
その日、そのシチュエーションを豊かな時間にするためには何がベストか、選べる人になりたいですね。
参考:アルコール健康医学協会/国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 臨床研究センター/サントリーウェルネスonline/株式会社ヤクルト「 ヘルシスト」
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